ABテスト事例|Hanna Andersson
ハンナ・アンダーソンのライフタイムバリューを高める実験方法
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ハンナ・アンダーソンについて
カスタマージャーニーはかつてないほど微妙な変化を遂げています。
消費者がデバイス、チャネル、タッチポイントを切り替えていく中で、パナソニックのようなデジタルフロンティアの企業は、各インタラクションに連続性を持たせ、オムニチャネル体験を提供するといった複雑な課題に注力しています。
この統合体験を提供するための課題と戦略について、パナソニックコンシューマーエレクトロニクスのブランドエクスペリエンスを率いる、ミシェル・エスガー氏に話を伺いました。
まず、カスタマーサポートへの問い合わせを減らすために(結果として、ユーザーの長い待ち時間や社内でボトルネックとなっているワークフローを回避するために)一緒に取り組んだ実験について見てみましょう。そしてこの実験が、パナソニックの包括的な戦略の中でどのように位置づけられているのか、また成功する顧客体験とは、消費者のあらゆるタッチポイントを統合的に理解することで構築されていくのかについて話し合いました。
パナソニックの360度アプローチのスナップショットをご紹介します。
Webサイトの課題
パナソニックは、カスタマーサポートのコストを前年比で削減するという目標を繰り返し掲げています。
現在、サポートセンターへの電話1本につき5ドルのコストがかかっており、あっという間にコストが嵩んでしまっています。そして、予算の最適化とともに、パナソニックには全体のエクスペリエンスを改善する必要がありました。
消費者は製品がきちんと動作しない場合、カスタマーサポートに連絡します。大半のユーザーは問題解決のためにまずウェブサイトをチェックしますが、解決しない場合フラストレーションが溜まっていきます。そして、担当者に電話することになるのですが、担当者に繋がるまでに平均6分間も複雑なIVRを操作しなければならないのです。
ロード時間が3秒を超えると、ウェブページからの退出率が指数関数的に増加することを考慮する必要があります。この「インスタント時代」に6分間も待ってもらうのは、現実的とは言えません。
コールセンターで分析を行った結果、かかってきた電話の大半は、セルフサービス情報にて解決可能なことが明らかになりました。つまり、根本的な問題は帯域の問題ではなく、適切な情報を適切なユーザーに適切なタイミングで提供することだったのです。
そのため、パナソニックはWebサイトの情報設計から製品マニュアルに至るまで、総力を挙げて改善に時間を費やしました。またこの継続的な戦略に磨きをかける一方で、パナソニックはより直接的で戦略的な次のステップ、つまりお客様をデジタルチャネルに誘導し、迅速なサポートを提供することに注力しました。
仮説の検証
パナソニックでは担当者が一度に複数のチャットやメールを処理するために、デジタルチャネルを適切に宣伝することが重要課題でした。元々、このリンクはカスタマーサポートページの中央に配置されており、ユーザーが素早くスクロールする際、見逃しやすい状態でした。

ミシェル氏はこの連絡先がウェブページのヘッダーに表示されていれば、消費者がこれらのチャネルを利用する可能性が高くなると考え、A/Bテストとしてナビゲーションバーにこのオプションを早急に追加しました(トラフィックを50/50に分割する)。
ABテスト結果
このテストの成功は、デジタルカスタマーサポートへのコンタクトと電話による問い合わせの割合で評価されました。
テストが実施された数週間で、この比率が11.6%もデジタル支持にシフトしています。平均的な通話量に基づくと、1カ月で約2,500ドル、1年でおよそ3万ドルのコスト削減に匹敵します。その結果、この新しいヘッダーはウェブトラフィックの100%に表示されるようになりました。
ポイント
問題の一部ではなく、根本的な原因を解決するにはどうしたらいいのでしょうか?
このシナリオでは、オンラインサポートを活用することで、ユーザーにより迅速な体験を提供し、コストを大幅に削減することができました。しかし、この試みは、パナソニックの多角的な戦略の一面にすぎません。
ドキュメントの改善、ユーザーエラーの認識、製品のユーザビリティの向上などは、この統合的なアプローチのほんの一例です。AB Tastyでは、今後、このオムニチャネル戦略でパナソニックと協力し、顧客体験をさらに向上させることを楽しみにしています。